とりとめのないはなし。

2020-04-01から1ヶ月間の記事一覧

日傘の下の君の横顔が美しかった 続き

全く治る気配がない頭痛を、保ちながら時刻は午前5時を回ろうとしていた。母が帰ってくるまであと4時間もある。このまま死ねたら楽だなぁと、過去を思い返しながら思った。子供の頃から頭痛に悩まされていたので、母は私を鬱陶しく思っていた。ただ、病院に…

日傘の下の君の横顔が美しかった

その日はひどい頭痛に苦しんだ。痛み方にもいろいろあると18年間の人生で学んだ。小学3年生の頃にズキズキした痛みに3日程苦しめられた。中学2年生の頃は一週間程、学校を休むはめになるほど強い頭痛に苦しんだ。ガンガンと言う感じの痛みだった。今回はその…

それからの話 完

手をぎゅっと握ったままのその子供は家についても一向に私の手を離してはくれなかった。家の表札には時平とあった。私の中学校の同級生と同じ苗字だった。近くの公園には桜の木が咲いていて、いよいよ四月が幕を開ける。そんな様な気分にさせる。私はその子…

それからの話 続き

少しずつその子供のことがわかってきた。名前は教えてくれなかったが。泣いていた理由も自分でわかっていないようだった。また過去に馳せる。私も理由もなくよく泣いていた。親は無視していたが、そのことが悲しかったわけではなかったと思う。ただ無性に悲…

それからの話 続き

その子供を泣き止ませようと、変顔、変顔、変顔、自分なりに様々なバリエーションを試した。まったく効果がない。どうにもならない事はどうにもしない、という考えが瞬間的に浮かんだ。しかし、自分が原因で起こったことに対して無関心でありたくない。つく…