2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧
桜の花びらをじっと見つめながら何かを話す彼女の映像を頭の中で見ていた。 「春になんでそんなふうに思うの?」 「君が思う春を僕は知らないけれど、僕はどんな季節であっても僕のままだと思うよ。」 彼女は桜の花びらから目を逸らさない。 「春ってねぇ、…
「やれやれ。」 どこかの誰かがそう呟いて、 賛同する人もいて、反応しない人もいる。 登場人物たちに対して感謝を述べる人もいれば、自分が作ったものに興味を示さない人もいる。 愛された人間にしか愛される人間像が輪郭と中身を伴ったまま生み出せないの…
時間軸を辿ってみれば今の僕がここにいることにほんの少しの違和感がある。 ほんの少しというのは、料理の調理工程にある 「塩を少々。」ぐらいのものなんだけれど。 彼女が僕の前に現れた、いや、僕らが出逢った時に僕らはお互いを認識するべき数々の出来事…
春が始まる頃に来年の冬を見るために今年を生き抜こうと誓うことが彼女から教わった最後の言葉だ。 僕が彼女のおかげで生きてこられたのは言葉があったから。 伝えあって、心を探り合いながら日々を積み重ねてきたからだ。 秋の終わりに紅葉の葉で覆い尽くさ…