とりとめのないはなし。

rest 1

時間軸を辿ってみれば今の僕がここにいることにほんの少しの違和感がある。

ほんの少しというのは、料理の調理工程にある

「塩を少々。」ぐらいのものなんだけれど。

 

彼女が僕の前に現れた、いや、僕らが出逢った時に僕らはお互いを認識するべき数々の出来事を思い起こしたようだ。

つまり、僕らには僕らが出逢う前のいくつかの断片的な記憶が残っていた、ということだ。

 

えぇと、そうだなぁ、前世か何かの記憶が残っていたとか、そういう話じゃなくて、比較的新しい、新しいとは言っても十数年間の間に刻まれた少し傷跡が残っているくらいのものなんだけれど、

僕らはその日が初めての出会いではないと、僕はそう認識したってことだ。

 

僕が自転車を漕いで、ひたすら漕いでいた時に

偶然辿り着いた河川敷にはサッカーをしている少年たちがいて、僕はひたすら自転車を漕いだ。

 

別に目的地なんてないが無性に体を動かしたくなったのは、どこかで何かがあれば思ったからだ。

 

こんな抽象的なことは人間の動機としては不十分で、でも当時の僕にとっては大切なことだったかもしれなかった。