とりとめのないはなし。

あの丘

青い花が散っていって、彼はドアを開けて外に出た。

彼女は本を読むことをやめた。

僕は音楽を聴いている。

 

あのカーテンの色はパステルカラーで、本のカバーには押し花のデザイン。

誰もいなくなった部屋でパソコンのキーボードを打っていた。

 

彼女は「言葉は愛するために使う。」と言っていた。

彼は「言葉は手段で行動が目的だ。」と言っていた。

 

僕が話をする前に彼らは「君の言いたいことは分かっているよ」と言わんばかりの表情で僕の目を見て話を聞く姿勢になる。

 

僕はそれに少し緊張しながら、

言葉は「僕らだけのためにある。」と言った。

彼らはずっとニヤニヤしていた。

 

 

あの丘には広い草原があって、白や黄色の花がまばらに咲いている。

 

僕はまた文章をパソコンに打つ。

またここには戻る。

結果から言えばここが僕の原点だった。